［劇場名］スウェーデン王立歌劇場
Kungliga operan
［所在地］ストックホルム … スウェーデン
Helsinki … SWEDEN
［創設年］1773年
［客席数］1,200席
…… スウェーデン王立歌劇場 / Kungliga operan
［芸術監督］2021 ▷
マイケル・カヴァナー / Birgitta Svendén
［音楽監督］2021 ▷
アラン・ギルバート / Alan Gilbert
首都ストックホルム中心部、水路を挟んで王宮の向かい側に建つ。王立オペラは1773年、グスタフ３世によって設立されたヨーロッパで最も古いオペラ・カンパニーの一つ。付属のバレエ団は、パリ国立オペラ、デンマーク王立オペラ、マリインスキー劇場のバレエ団に次いで、世界で４番目に古い歴史を誇る。
最初の建物が完成したのは1782年のことだった。設計は建築家カール・フレデリック・アデルクランツ。彼はこの劇場を手掛ける前に、ストックホルム郊外ローベン島にある離宮ドロットニングホルム宮殿の宮廷劇場の設計を手掛けている。しかし10年後、1792年3月16日に悲劇が起きる。仮面舞踏会の席でグスタフ３世が撃たれたのだ。国王は29日に死去、歌劇場がなんと暗殺事件の舞台となった。
そう、この悲劇を基にして創られたオペラが、ヴェルディの《仮面舞踏会》だ。悲劇の舞台となった劇場はその後、幾度かにわたる閉鎖、建物の老朽化が進み、初代の建物は取り壊されてしまった。現在の建物は1898年に開場した二代目だ。
こちらの設計は、自然歴史博物館やストックホルム天文台を手掛けたアクセル・アンダーバーグで、外観はネオ・ルネサンス様式、階段やホワイエ、ホール内はネオ・バロック様式を採用している。ホワイエの天井画は、カール・ラーションの作。約100年の時を経て、1989年から大規模な改修工事が行われ、最新の舞台機構が導入されて現在に至る。
建物の中には、レストラン、カフェ、バーも併設。中でも、メイン・ダイニング「オペラシェッラレン＝Operakällaren」は1787年開業という老舗で、料理とサービスの質はあのミシュランも認める。シェフはロイヤル・ウエディングも担当する。それ以外にカジュアルなレストラン「バックフィーカン」があり、ナイトクラブ「カフェオペラ」、｢オペラバー」がある。
王立オペラは2021/2022シーズンから、芸術監督にカナダの演出家マイケル・カヴァナー、音楽監督に米国の指揮者アラン・ギルバートを迎え、体制を一新する。カヴァナーは30の歌劇場で150を超えるオペラの演出を手掛けてきたベテラン。王立オペラでは《中国のニクソン》と《アイーダ》の演出を手掛けている。
一方のギルバートはストックホルムに居を構え、2000年から2008年にロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務めた。その後、ニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督（2009-2018）を経て、2019/2020シーズンからはハンブルクのNDRエルプフィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を務めている。歌劇場にも2012年以来しばしば客演してきた。
また、歌劇場管弦楽団には2020年、清水慶太郎が首席トランペット奏者・ソロ奏者に就任した。清水は愛知県立芸術大学卒業後、フランツ・リスト・ワイマール音楽大学大学院で学び、ゲッティンゲン交響楽団の首席奏者を経て入団した。ますます目が離せない存在になってきた。
