2018年のテーマは「鏡」

最後に。2018年のドレスデン音楽祭は、「鏡」がテーマになる。会期は5月10日から6月10日まで。今回はフォーグラーがチェリストということもあって、「チェロマニア=Cellomania」という特集も組まれる。初夏の音楽祭に先立ち、1月31日にはヨーヨー・マのスペシャル・コンサートも行われ、音楽祭が開幕すると、スティーブン・イッサーリス、ミッシャ・マイスキー、リン・ハレル、ミクロシュ・ペレーニ、ダヴィッド・ゲリンガス、フランス・ヘルメルソン、ラルフ・カーシュバウム、ピーター・ウィスペルウェイ、アルバン・ゲルハルト、パブロ・フェルナンデス、マリー=エリーザベト・ヘッカー、クリスティアン・ポルテラ、イヴァン・モニゲッティ、ヨハネス・モーザー、ダニエル・ミュラー=ショット、アリサ・ワイラースタイン、ナレク・ハフナザリャン、アンドレアス・ブランテリら総勢19名のスーパー・チェリストたちが集結。各々のコンサートだけでなく、バッハの組曲やベートーヴェンのソナタを1曲ずつ弾き分けたり、彼らが一堂に会する公演まで用意されている。さらにはナターリャ・グートマンも加わってのマスタークラスも開催という豪華さだ。

もちろん、チェロ以外も盛りだくさんで、開幕コンサートは前総裁のヘンヒェンとデンマーク王立管弦楽団。これはヘンヒェンの75歳の祝賀も兼ねる。客演するオーケストラも、ダニエル・ガッティ&コンセルトヘボウ管弦楽団、イヴァン・フィッシャー&ブダペスト祝祭管弦楽団、ヘレヴェーへ&シャンゼリゼ管弦楽団、ガーディナー&イングリッシュ・バロック・ソロイスツと実に多彩。地元のシュターツカペレ・ドレスデンは、パーヴォ・ヤルヴィ、クリスティアン・ティーレマンが指揮するコンサートが予定されている。一方の音楽祭管弦楽団は、コンサートマスターのヤニチェクの師でもあるトマス・ツェートマイアーをソリストに迎え、ブラームス・プログラムや、メンデルスゾーン《真夏の夜の夢》とシューマンの交響曲第3番を加えた閉幕公演を担当する。

また、オーケストラの演奏会以外の注目の公演も多く、アルテミス四重奏団とエリザーベト・レオンスカヤ、ジョイス・ディドナート&イル・ポモ・ドーロが共演する演奏会もあれば、州立オペレッタでの《キャンディード》もあるし、客演するアーティストは、ラルペッジャータ、ヴァイオリンのジャニーヌ・ヤンセン、ピアノのラドゥ・ルプー、テノールのイアン・ボストリッジといった具合。そこにダンスのホフェシュ・シェクテル・カンパニー、オルガンやコーラス、キッズ、朗読、テクノやクラブカルチャーとのジョイントライヴなど、ジャンルを越えた公演が連日繰り広げられる。昨年に続くフォーグラーとビル・マーレイのコラボもある。

音楽祭が開催される5、6月は、ドレスデンは最高の季節。コンサートが始まる前やオフの日には、川遊びをする親子やカップル、専用のサイクリングコースで汗を流す者たちに混じって、川辺を存分に散策できる。シュパーゲル(白アスパラ)もちょうどシーズンだ。コンサートの後は数軒ある地ビールの直営店を飲み歩くのもよし、苦手な方はザクセン・ワインという選択肢もある。さっぱりしたヘリング(ニシン)から食べ応え十分のハクセ(豚のスネ肉料理)なども比較的遅くまで食べられる。そして、名物のバウムクーヘン。これはお土産の定番中の定番だ。また、この街からプラハまでは列車で片道2、3時間、ライプツィヒには1時間半ほどなので、開催期間が重なる別の音楽祭、例えば、プラハの春やライプツィヒのバッハ音楽祭との掛け持ちも可能となることも付け加えておこう。

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