エネスク国際フェスティバル
Enescu si Muzica LumiI

[開催都市]
 Bucharest … Romania
 ブカレスト … ルーマニア

[開催時期]
 2023:8.27 … 9.24


  音楽祭のサイトへ ▷


日本の街角でルーマニアの有名人を問うと、未だに返ってくる答えは、悲惨な最期を遂げた大統領ニコラエ・チャウセスクか、体操のオリンピック選手ナディア・コマネチが挙がる程度だ。国名からして、実は「ローマニア=ローマ人の土地」という意味から来ていること、同時にイタリア人の血が濃いことはあまり知られていない。

ただ、音楽ファンは、この国が国際的なアーティストを数多く送り出していることを知っている。ディヌ・リパッティやクララ・ハスキル、ラドゥ・ルプーにアンジェラ・ゲオルギュー…。そして、その筆頭にくる存在が、ヴァイオリニスト・作曲家として活動したジョルジュ・エネスク(George Enescu)だ。

エネスクは1881年にリヴェニに生まれ、第2次大戦後の1955年にパリで亡くなった。ウィーン、続いてパリで学び、1920年代半ばからはヴァイオリン教師として名を轟かせ、門下からユーディ・メニューイン、アルテュール・グリュミオー、クリスチャン・フェラス、イヴリー・ギトリスといった20世紀を代表するヴァイオリニストたちを送り出している。同時に作曲家として交響曲やソナタを作曲。ルーマニアでは国民的英雄で、その肖像が5レイ紙幣に使われているほどだ。

音楽祭は1958年の創設で、2年に一度、毎年9月の開催。彼の名を戴いているだけに、ヨーロッパの夏の音楽祭の最後を飾るにふさわしい大規模な音楽祭で、ルーマニア最大というより、東欧最大級の音楽祭として知られる。期間中に権威あるコンクール(ピアノ、ヴァイオリン、作曲)も行われる。

欧州各地から著名なオーケストラ、アーティストが客演するが、出演者はプログラムに必ずエネスク作品を1曲組み込むのがここのしきたり。4000人を収容する宮殿ホール「サラ・パラトゥルイ」、ドーム型の「アテネウル・ロマン」などのホールを会場に連日演奏会が行われる。

関連記事

  1. メラーノ南チロル音楽週間
    Meraner Musikwochen

  2. マロウストーン音楽祭
    Marrowstone Music Festival

  3. タリン室内楽音楽祭
    Tallinna Kammermuusika Festival

  4. グロッペン室内楽音楽祭
    Gloppen Musikkfest

  5. ロカルノ・アスコーナ音楽祭
    Ascona Music Festival

  6. トレビエハ音楽祭
    Sol Music Festival Torrevieja

  7. ウルティマ現代音楽祭
    Ultimafestivalen

  8. リュブリャーナ冬の音楽祭
    Zimski Festivala Ljubljana

  9. スプリット芸術祭
    Splitsko ljeto

  10. ヘルツェグ・ノヴィ野外オペラ
    Operosa Montenegro Opera Festivala

  11. コルドバ古楽音楽祭
    Ciclo de Música Antigua

  12. リックオー音楽祭
    Lyckå Kammarmusikfestival

  13. メルスィン国際音楽祭
    Mersin Uluslararasi Müzik Festivali

  14. シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭
    Schleswig-Holstein Musik Festival

  15. ドナウエッシンゲン音楽祭
    Donaueschinger Musiktage