オロスコ・ピアノ・フェスティバル
Orozco Piano Festival

[開催都市]
 Córdoba … Spain
 コルドバ … スペイン

[開催時期]
 2025:10.29 … 11.21


  音楽祭のサイトへ ▷


スペイン南部コルドバはローマ時代からの古都。711年に「西ゴート王国」がイスラム教勢力によって征服され、後にキリスト教勢力のレコンキスタ(複数のキリスト教国家によるイベリア半島の再征服活動)で奪還された。その間、756年の「後ウマイヤ朝」成立後の首都であり、10世紀にはトレドと並んで西方イスラム文化の中心地として発展。学問芸術が花開いて「西方の真珠」と讃えられた街だけに、イスラム文化の面影がいまも色濃く残り、世界唯一の、4つの世界遺産を持つ。

その“爛熟の時代”をいまに伝えるのが、イスラム文化の粋とされるメスキータ(=スペイン語でモスクを意味する)だ。約850本の円柱が支える紅白のアーチが立ち並ぶ「円柱の森」に加え、オレンジの中庭と信徒が身を清める噴水、礼拝堂が造られ、10世紀までに3度の拡張が重ねられた。精緻なレリーフの装飾が施されたミイラブ(メッカの方向を示す壁の窪み)にはコーランの一節が刻まれている。

レコンキスタの中で、カスティーリャ王国のフェルナンド3世が1236年6月29日にコルドバを奪還する。以後、メスキータの一部を壊して聖堂が設けられ、16世紀にはゴシック様式の祭壇やパイプオルガンを設えた絢爛豪華な礼拝堂も完成し、異なる宗教の建築が混在する特異な空間が残されることになった。4つの世界遺産の先頭を切って、1984年に世界遺産として登録されている。

そのメスキータを中心に繰り広げられるフェスティバルは2002年の創設。コルドバが生んだ世界的ピアニストのラファエル・オロスコへの追慕から生まれたフェスティバルの創設に尽力したのは、オロスコの伝記を書いたフアン・ミゲル・モレノ・カルデロン。創設以来、彼が芸術監督を務める。11月に行われ、期間は2週間強。著名なピアニストの客演に頼るというスタイルは取らず、実力派が数多く出演することでも知られる。

オロスコはコルドバとマドリードの音楽院で研鑽を積み、アレクシス・ワイセンベルク、グイド・アゴスティ、マリア・クルチョらに師事。1966年の「リーズ国際ピアノ・コンクール」で優勝したのをきっかけに国際的なキャリアをスタート。ヘルベルト・フォン・カラヤンをはじめ、名だたる指揮者、オーケストラとの共演を重ねていたが、1995年にエイズで50歳の若さでその生涯を閉じた。コルドバには彼の名を戴いた音楽院もある。

関連記事

  1. ブリュール・ハイドン・フェスティバル
    Brühl Haydn Festival

  2. 大邱ワールド・オーケストラ・フェスティバル
    대구월드오케스트라페스티벌

  3. アランフェス古楽祭
    Festival Música Antigua de Aranjuez

  4. モスクワの秋
    Московская осень

  5. 聖ヴィート大聖堂国際オルガン音楽祭
    Svatovítské varhanní večery

  6. ブレージツェ古楽音楽祭
    Seviqc Brežice

  7. トラジメーノ音楽祭
    Trasimeno Music Festival

  8. エローラ・フェスティバル
    Elora Festival

  9. アイエフ・オペラ
    If Opera

  10. シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭
    Schleswig-Holstein Musik Festival

  11. イルミナ・フェスティバル
    Ilumina Festival

  12. レオナルド・レーオ・バロック・フェスティバル
    Baroque Festival Leonardo Leo

  13. 南ボヘミア室内楽フェスティバル
    Jihočeského komorního festivalu

  14. サラエボの冬
    Sarajevska zima

  15. グラインドボーン音楽祭
    Glyndebourne Festival Opera