その後も、フランスの女性指揮者エマニュエル・アイムとゲヴァントハウス管弦楽団によるヘンデル作品集(9&10日、ゲヴァントハウス大ホール)など名演は目白押し。今年のバッハ・メダルを受賞したロバート・レヴィン(15日、コングレスホール)、アンドレアス・シュタイアー(16日、連邦行政裁判所)らの各リサイタルや、ヴァーツラフ・ルクス指揮コレギウム1704の「ブランデンブルク協奏曲」全6曲ほか(16&17日、聖ニコライ教会)なども話題に。午前中に設定されている、ライプツィヒ国際バッハコンクールの入賞者をはじめ、若手演奏家によるステージも、秀演揃いだった。
そして、音楽祭の最終日。最終日は夕刻に聖トーマス教会で閉幕コンサートが催され、バッハ畢生の傑作《ロ短調ミサ》が上演されるのが恒例だ。今年はシュヴァルツ指揮トーマス教会合唱団、ベルリン古楽アカデミーが音楽祭が締め括った。期間中は、各教会での礼拝は一般にも開放され、カンタータ演奏も無料で聴ける。今年はマルクト広場での野外礼拝に、ラーデマン指揮ゲッヒンゲン・カントライが「カンタータ・リング」第6ステージを兼ねる形で登場。参列者や居合わせた観光客らを喜ばせた。
また、音楽祭の最終日にあたる日曜朝の礼拝。特に、聖トーマス教会で行われる礼拝は、トーマス教会合唱団やライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団などが演奏するだけでなく、特別にバッハが生きていた時代の式次第に従って行われるため、地元の人だけでなく、各国からの観光客も多く集まる。今年は「カンタータ・リング」の効果もあって、例年を大きく上回る聴衆に恵まれた。海外からはアメリカ人に次いで、日本からの訪問客が多い。
「バッハフェスト・ライプツィヒ2019」は「宮廷作曲家、バッハ」をテーマに、6月14~23日の10日間にわたって開催される。ヴァイマール時代のカンタータや、ケーテン時代の器楽曲などを中心とした作品上演を予定しており、バッハアルヒーフ・ライプツィヒ広報室では「日本の聴衆の、バッハの音楽への理解度の高さには、常に驚かされる。日本語によるオンラインでのチケット購入や案内パンフレットの充実など、より多くの方に来ていただけるよう、今後、いっそうサービスを拡充してゆきたい」と話している。
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