ザルツブルク復活祭音楽祭
Salzburger Osterfestspiele

[開催都市]
 Salzburg … Austria
 ザルツブルク … オーストリア

[開催時期]
 2024:3.22 … 4.1


  音楽祭のサイトへ ▷


有名な夏の音楽祭とは別に、イースター(復活祭)時期にザルツブルクで行われている音楽祭。10日ほどの会期中、1つのオペラ、2つのオーケストラコンサート、1つの合唱入りのオーケストラコンサートを組み合わせたプログラムが、2日間の休日を挟んで2回行われるスタイルが定着している。

音楽祭が創設されたのは1967年のこと。創始者は“楽壇の帝王”と呼ばれた20世紀最大のスター指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンだった。彼は生まれ故郷のザルツブルクの夏の音楽祭の総監督を務め、世界で最もゴージャスな音楽祭に押し上げたが、それに飽き足らず、より個人色の強い音楽祭を起ち上げたことになる。

当時、巨匠にはオペラを指揮する場がなかった。そのため、終身芸術監督を務めていたベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を使ってオペラを演奏、録音する場が欲しかったからとされる。その想い通り、音楽祭は巨匠が有名なオペラ作品を演奏し(とりわけワーグナーの)、録音する場となり、また、ベルリン・フィルによるオペラ演奏を聴くことができる貴重な場となった。

巨匠が1989年に亡くなった後も、ベルリン・フィルはクラウディオ・アバド、サイモン・ラトルといった時の音楽監督と出演を続けていたが、2013年からイースター時期はドイツのバーデン=バーデン音楽祭に出演することを決めた。そのピンチを救ったのが、クリスティアン・ティーレマン率いるシュターツカペレ・ドレスデンで、2013年から出演を続け、その存在感で音楽祭の名声を高めた。

しかし、それも2022年まで。2020年に音楽祭の総監督に就任したニコラウス・バッハラーが2023年からはレジデンス・オーケストラを置かないという路線に舵を切ったからだ。バッハラーはミュンヘンのバイエルン州立オペラの総監督を務めた大物。“中興の祖”として存在感を高めていたティーレマンをバッサリ切った。

新路線ではバレエ公演も加えられ、オーケストラは2023年はアンドリス・ネルソンス&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、2024年はアントニオ・パッパーノ&ローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団の登場となった。

しかし、話はそれで終わらず……。なんと、2026年からベルリン・フィルが12年ぶりにレジデンス・オーケストラに復帰すると発表され、音楽ファンの度肝を抜いた。ベルリン・フィルは毎年定期的に客演は続けることでバーデン=バーデンとは“円満離婚”。創設オーケストラの復帰で、音楽祭はまた新たな地平に踏み出すことになる。

関連記事

  1. メシアン音楽祭
    Festival Messiaen au pays de la Meije

  2. ディアギレフ・フェスティバル
    Дягилевский фестиваль

  3. ケベック・オペラ・フェスティバル
    Festival Opéra de Québec

  4. スポレート・フェスティバル
    Festival dei Due Mondi

  5. ラ・ロック=ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル
    Festival de La Roque-d’Anthéron

  6. コルドバ古楽音楽祭
    Ciclo de Música Antigua

  7. アルゲリッチ・フェスティバル
    Festival Argerich

  8. 音楽祭新作オペラ2019[ザルツブルク音楽祭]天国と地獄

  9. ハレ・ヘンデル音楽祭
    Händel-Festspiele Halle

  10. ヴィチェンツァ・イン・リリカ
    Vicenza in Lirica

  11. マドリード国際聖画祭
    Festival Internacional de Arte Sacro

  12. バイロイト音楽祭
    Bayreuther Festspiele

  13. 国際音楽祭NIPPON
    International Music Festival NIPPON

  14. リッチフィールド・フェスティバル
    Lichfield Festival

  15. リヴィウ国際音楽芸術祭”ヴィルトゥオーゾ”
    Міжнародний Фестиваль Музичного Мистецтва “Віртуози”