[開催都市]
Salzburg … Austria
ザルツブルク … オーストリア
[開催時期]
2025:4.12 … 4.21
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有名な夏の音楽祭とは別に、イースター(復活祭)時期にザルツブルクで行われている音楽祭。10日ほどの会期中、1つのオペラ、2つのオーケストラコンサート、1つの合唱入りのオーケストラコンサートを組み合わせたプログラムが、2日間の休日を挟んで2回行われるスタイルが定着している。
音楽祭が創設されたのは1967年のこと。創始者は“楽壇の帝王”と呼ばれた20世紀最大のスター指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンだった。彼は生まれ故郷のザルツブルクの夏の音楽祭の総監督を務め、世界で最もゴージャスな音楽祭に押し上げたが、それに飽き足らず、より個人色の強い音楽祭を起ち上げたことになる。
当時、巨匠にはオペラを指揮する場がなかった。そのため、終身芸術監督を務めていたベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を使ってオペラを演奏、録音する場が欲しかったからとされる。その想い通り、音楽祭は巨匠が有名なオペラ作品を演奏し(とりわけワーグナーの)、録音する場となり、また、ベルリン・フィルによるオペラ演奏を聴くことができる貴重な場となった。
巨匠が1989年に亡くなった後も、ベルリン・フィルはクラウディオ・アバド、サイモン・ラトルといった時の音楽監督と出演を続けていたが、2013年からイースター時期はドイツのバーデン=バーデン音楽祭に出演することを決めた。そのピンチを救ったのが、クリスティアン・ティーレマン率いるシュターツカペレ・ドレスデンで、2013年から出演を続け、その存在感で音楽祭の名声を高めた。
しかし、それも2022年まで。2020年に音楽祭の総監督に就任したニコラウス・バッハラーが2023年からはレジデンス・オーケストラを置かないという路線に舵を切ったからだ。バッハラーはミュンヘンのバイエルン州立オペラの総監督を務めた大物。“中興の祖”として存在感を高めていたティーレマンをバッサリ切った。
新路線ではバレエ公演も加えられ、オーケストラは2023年はアンドリス・ネルソンス&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、2024年はアントニオ・パッパーノ&ローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団の登場となった。
しかし、話はそれで終わらず……。なんと、2026年からベルリン・フィルが12年ぶりにレジデンス・オーケストラに復帰すると発表され、音楽ファンの度肝を抜いた。ベルリン・フィルは毎年定期的に客演は続けることでバーデン=バーデンとは“円満離婚”。創設オーケストラの復帰で、音楽祭はまた新たな地平に踏み出すことになる。







