ドレスデン音楽祭
Dresdner Musikfestspiele

[開催都市]
 Dresden … Germany
 ドレスデン … ドイツ

[開催時期]
 2026:5.14 … 6.14


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ドレスデンは、かつてのザクセン王国の首都。聖母教会、聖十字架教会、ツヴィンガー宮殿…。その美しい街並みは「エルベ河畔のフィレンツェ」と謳われ、バロック様式の壮麗な歴史的な建造物が建ち並ぶ。

実はそれらの多くが、戦後になって復元されたことを知る人は少ない。第二次世界大戦末期の大空襲で街は一時、廃墟と化した。戦後、市民が瓦礫を一つひとつ拾い集め、それらを丹念に組み合わせる復元作業が続いた。古都らしい、歴史の重みを大切にする街でもある。

一方、クラシック音楽ファンにとってこの街は、ドイツ東部最大の音楽都市として知られる。設計者の名を取って「ゼンパー・オーパー」の愛称で知られるザクセン州立歌劇場のオーケストラであるシュターツカペレ・ドレスデンの存在感がなんといっても大きい。腰の低い、重厚感あふれるそのサウンドのファンが多く、耳の肥えた音楽ファンから、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と肩を並べる存在として一目置かれている。

そんな街に音楽祭が創設されたのは東独時代の1978年。20世紀を代表するスター指揮者のヘルベルト・フォン・カラヤン以下、著名な演奏家たちが出演しており、輝かしい歴史を歩んできた。ドイツ統一後は規模が拡大、現在は約1ヵ月の会期中、「ゼンパー・オパー」の他、歴史的な建造物を会場に使いながら、60以上の公演が行われている。海外から名門オーケストラが数多く客演するのも特徴だ。

その動きは、2009年にチェリストのヤン・フォーグラーが総裁に就任してからさらに加速された。フォーグラーは弱冠20歳で首席奏者に就任して、1997年までシュターツカペレ・ドレスデンに在籍した。

オーケストラを知り尽くした彼は2012年、音楽祭管弦楽団を創設した。“強健王”アウグスト2世時代のドレスデン宮廷楽団を現代に蘇らせようと組織した古楽器オーケストラで、ヨーロッパ各地の著名な演奏団体から名手を集めて編成されており、プログラムのリーチがさらに大きく広がってきている。

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