[開催都市]
Firenze … Italy
フィレンツェ … イタリア
[開催時期]
2025:4.13 … 6.21
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数あるイタリアのオペラハウスの中で、フィレンツェの「テアトロ・コムナーレ」は、私の中でずっと最下位(!)だった。もちろん、オペラ・カンパニーに対する評価ではない。この劇場がオペラ界のトップリーグの一角を占める実力派であることは誰もが認めるところ。中国の映画監督チャン・イーモウを演出に起用し、北京の紫禁城で《トゥーランドット》の歴史的な上演を実現させたのも、この劇場だ。
では、どの部分が最下位だったのか。それは、オペラハウスの建物がどうにも貧弱ということに尽きる。他の劇場に比べて、建物に華やかさが足りない。しかし、その問題は2011年末、「テアトロ・コムナーレ」の北西約200メートルに「新オペラ劇場」が開場して解決した。
新しい劇場は、夜になると外壁の隙間から光が漏れ出す「光る箱」、その前方の「傾いた箱」を組み合わせたモダンなデザイン。その中に1800席の大劇場、1000席のオーティトリアム、2000席の野外劇場を擁する。これでもう、ハード面、ソフト面とも、文句の付けようがなくなった。
劇場が行っている「Maggio Musicale=音楽の五月」は1933年、名指揮者のヴィットリオ・グイが創設したもので、ヨーロッパの数ある音楽祭の中でも老舗として名を馳せてきた。
オペラ・カンパニーは2019/2020シーズンから、チューリヒ歌劇場、ザルツブルク音楽祭、ミラノ・スカラ座のトップを歴任してきたアレキサンダー・ペレイラを総裁に迎える。攻めの姿勢で知られる手練れがどう仕掛けてくるか、乞うご期待。







