文 ■ 田中良幸

ゴールデン・ウィークに行われる音楽祭といえばこの数年、多くの自治体が「ラ・フォル・ジュルネ」が相乗りし、日本中を席巻した感があったが、外国直輸入の在り来たりのプログラムに飽き足らないところが昨年から、独自色を前面に打ち出した新しい音楽祭を起ち上げ始めた。滋賀県のびわ湖ホールを拠点に、ホールの芸術監督を務める指揮者の沼尻竜典が自ら綜合プロデュースを務め、2018年から新しい音楽祭がスタートした「近江の春 - びわ湖クラシック音楽祭」もその一つ。日本有数の充実した設備を持つホールが、大ホール、中ホール、小ホール、ロビー、それに琵琶湖を望む湖畔広場まで使い、3日から5日にかけて3日間にわたって多彩なプログラムを繰り広げた。しかも、公演の一つひとつが、オリジナリティーを大切にしており、その意味でも音楽の饗宴としての在り方に一石を投じている。多くの来場者で賑わったのは、しっかりと考え抜かれたコンセプトの勝利だ。