[開催都市]
Moritzburg … Germany
モーリッツブルク … ドイツ
[開催時期]
2025:8.8 … 8.24
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ドイツの古都ドレスデンの郊外にあるモーリッツブルク城は、1546年にザクセン公モーリッツが狩猟のための館として建てたもの。ルネッサンス様式の建物はアウグスト強王の時代の1723年から10年の歳月をかけてバロック様式に改築された。周囲を掘り下げて造られた人工の池に囲まれたその姿は、湖上の城のような佇まいをみせる。
四つある大広間はそれぞれ皮革製の壁紙、豪華な家具、陶磁器などで彩られているが、中でもダイニングルームの壁に飾られた鹿の角は、「Moritzburger 24-Ender」と呼ばれる世界最大の赤鹿の角を含めてヨーロッパ屈指のコレクションとされている。
そんな古城を舞台にした室内楽の音楽祭が創設されたのは、1993年のこと。中心になったのは、シュターツカペレ・ドレスデン(ザクセン州立歌劇場管弦楽団)の首席チェロ奏者だったヤン・フォーグラー、コンサートマスターのカイ・フォーグラー、首席チェロ奏者のペーター・ブルンスら。めざしたのは、米国の「マールボロ音楽祭」だったという。
ドレスデンから城までは、中央駅からSバーンの列車で15分ほどにある「ラーデボイル・オスト=Radebeul Ost駅」に向かい、そこから「レスニッツグルント鉄道」が運行するSL列車で「モーリッツブルク駅」まで30分ほど揺られるのも一興。駅から城まで徒歩で20分ほどだ。
音楽祭の芸術監督は1993年から2000年までカイが務め、その後、ヤンにバトンタッチ。ヤンは2009年からドレスデン音楽祭の総裁を務めていることもあり、モーリッツブルク教会やブロックヴィッツ城、ケーテ・コルヴィッツ記念館、空港の格納庫といった近郊の建物も会場に使われるようになった。
世界的なコロナ・パンデミックで音楽祭が次々と中止に追い込まれる中、8月に入ってからの開催ということもあって2020年の開催も実現。ヤン以下、夫人のミラ・ワン、カイ・フォーグラー、バイバ・スクライドといったヴァイオリニストをはじめ、リーズ・ドゥ・ラ・サールやアレッシオ・バックスといったピアニストたちが集まった。







