[オペラハウス大全]バイロイト辺境伯歌劇場

[名称]バイロイト辺境伯歌劇場 | Markgrafliche Opernhaus
[所在地]バイロイト … ドイツ | Bayreuth … GERMANY
[開場]1750年
[客席数]500席
[公式WEBサイト]
 https://www.bayreuth-wilhelmine.de/englisch/opera/

写真:Markgrafliche Opernhaus

ドイツ・バイエルン州の北東部オーバーフランケン地方に位置するバイロイトは7万人強の街ながら世界的にその名が知られる。毎夏、作曲家ワーグナーの楽劇を上演する「バイロイト音楽祭」が開かれるからだ。音楽祭にはワーグナーのファンである「ワグネリアン」が世界中から駆け付ける。

その会場となっているのが、1876年に開場した「祝祭劇場」。ワーグナーが自作を上演するために建てた専用劇場で、バイエルン王ルートヴィヒ2世の支援を受けて完成させた。でも、なぜ、それだけの後ろ盾ありながら、首都ミュンヘンではなく、辺鄙なバイロイトに劇場を造ったのか。その鍵はこの劇場にある。

というのも、ワーグナーとバイロイトとの出会いに、この劇場の存在が関係しているからだ。ワーグナーは自作の楽劇《ニーベルングの指環》を上演する劇場を探す中で、この劇場の名声を聞きつけた。そして、妻のコジマと訪問。その時に夫妻は文化の薫り高いこの街に惹かれ、そのまま腰を落ち着けることになった。

ワーグナーが劇場を訪れた1870年当時、バイロイトは既にバイエルン王国の一部となっていた。しかし、それ以前はバイロイト辺境伯の宮廷が存在しており、この劇場も宮廷歌劇場として建設されたもの。建設を命じたフリードリヒ3世の時代(1735-1763)は、バイロイトが宮廷都市として繁栄を謳歌していた時代でもある。

ただ、実際に劇場についてあれこれ差配したのは、辺境伯妃のヴィルヘルミーネ。彼女はプロイセンのフリードリヒ2世の姉で音楽を愛したことで知られ、辺境伯に嫁いでからはバイロイトをヨーロッパ有数の文化都市にすべく、精力的な活動を展開した。独立した劇場の建設もその一環。

建設が始まったのは1745年で、完成は1750年と、5年の時間を費やした。現存するヨーロッパの最古の歌劇場とされ、宮殿の一部に設けられたのではなく、独立した劇場であり、500席の収容人員を持つ点で、19世紀の大規模公共劇場の先駆けとしても評価されている。設計は劇場建築を数多く手掛けたジュゼッペ・ガッリ・ビビエーナ(1696-1757)。

また、絵画も含めた内装が完全に保存されていることから、世界で最も美しいバロック様式の歌劇場として、2012年にはユネスコの世界文化遺産リストに加えられた。そしその直後から大規模な修復工事が行われ、2018年に再開場。2020年にはかつて行われていたバロック・オペラの音楽祭「バイロイト・バロック」も復活した。

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